医療×知識

200人超の歯科医を取材した医療ライターが実践する虫歯予防法8つ

虫歯になるのは仕方がない

こんなふうに思っている人もいるのではないでしょうか。

歯科医師を取材する前までのぼくはそうでした。

漫然と歯磨きはするものの、たまに歯医者に行ってみたら必ず1、2カ所は虫歯になっている。

虫歯になるのは自分の中でどこかお決まりのことだったのですが、歯科医師に話を聞くにつれてそのイメージが変わりました。

そう、虫歯は自分の心がけ次第でかかる必要のない病気らしいのです。

今回の記事では、今までに211人の歯科医師を取材した医療ライターのショウブ(@freemediwriter)が実践する虫歯予防のための習慣やコツを8つ書きます。

この方法を実践し始めてから現在までのおよそ2年間、虫歯はできていません。

参考にしてみてください。

歯磨き後に歯を見る

自分の歯を見ていない患者さんが多いんですよね

取材した歯科医師がこう話したとき、ハッとしました。

確かにそれまでのぼくは歯をろくに見ていなくて、気付いたときには前歯に黒い虫歯ができていたことがありました。

大きさはつまようじの根の倍ほどもありました。

一番見やすい前歯であるにも関わらず、それほどの状態になるまで気付かなかったわけです。

もし毎日歯をチェックしていたらもっと小さい状態で発見して、歯を削る量を減らすことができたでしょう。

まずは自分の歯を見ること

シンプルですが、虫歯を防ぐため、仮にできたとしても早期に発見するためにはこの習慣が最も大切であるとぼくは考えます。

歯磨きをした後に鏡で必ず歯をチェックするようにすれば、磨き残しの有無も調べられます。

歯を見ることで、ぼくは歯を守っていくことの意識も高まりました。

週に1度は上の歯の溝や裏も見る

自分で歯をチェックするとき、上下の歯の表面と下の歯の溝・裏を見て終わっている人がいるのではないでしょうか。

普通の鏡だと上の歯の溝や裏は見づらいですよね。

そんなこともあるのでしょう。ぼくの場合、これらの部分に虫歯ができやすかったのです。

そこでぼくは柄のついた小さな鏡を購入して、それを使って週に1度は上の歯の溝や裏も見るようにしました。

こんな商品を使えば簡単に上の歯の溝・裏も見えるようになります。

毎日は面倒でも、少なくとも週に1度はこれらの部分を見てトータルに自分の歯の状態を確認しておくと良いのではないでしょうか。

食べた後に水を飲む

最も手軽な虫歯予防法として、食後に水を飲むことを勧めています

「おじいちゃんやおばあちゃんで食後に水で口をもぐもぐさせている人がいますが、あれは虫歯を防ぐ上では有効なんです。ある意味で先人の知恵とも言えるんですね」

上の発言から歯科医師がこう続けていて、なるほど、と思いました。

口の中に糖分を留めないことが虫歯を防ぐ上では重要なので、食べた後に水を飲んで食べかすを流すのはシンプルに有効ではないでしょうか。

ぼくの場合、自宅など人目につかないところで食事をしているときは食後に水で口をゆすぐようにしています。

1日に1度はフロスも使う

「フロスを使うこと」。虫歯予防をテーマにしたとき、歯科医師が必ずと言っていいほど話すことです。

フロスとは、歯と歯の間の食べかすや歯垢を取り除くために使う、ナイロンなどの加工糸です。

「糸ようじ」の名で認識している人が多いかもしれませんが、あれは小林製薬が販売するフロスの商品名なのですね。

歯ブラシだけでは歯と歯の間に挟まった食べかすやそこに付着した歯垢を取りづらく、糸を通すことで清掃性が上がることは多くの人がイメージしやすいのではないでしょうか。

複数の歯科医院がホームページでフロスの効果の根拠として挙げているのが、日本歯科保存学会が発行する会誌「日歯保存誌」に2005年に掲載された調査結果です。

これによると、歯ブラシだけを使った歯磨きでは歯垢の除去率が60%ほどでしたが、フロスを加えることで20%ほどその率がアップしたといいます。

出典:サンスターHP

ただ、肝心の同学会のホームページでその調査の内容が書かれていないので鵜呑みにはしない方がいいかもしれません。

一方、主観的にはその効果を実感していて、ぼくもこの2年間ほどフロスを使い続けていますがいいものだと感じています。

単純にフロスを使うと食べかすが取れるからで、使い始めた当初は白いネバネバした歯垢もよく取れていました。

フロスには柄のついたホルダータイプとロール(糸巻き)タイプの2種類がありますが、初心者にとって使いやすいのは「糸ようじ」に代表されるホルダータイプではないでしょうか。

柄を持って糸を歯と歯の間に通せばいいだけなので簡単です。

一方のロールタイプは糸を切ってそれを自分の指に巻いてから使う必要があるため、少し専門的な使い方を覚える必要があり、また慣れるまでは手間に感じる可能性があります。

ただ、ロールタイプの方が自分の指で糸の動きをコントロールできるため、慣れればホルダータイプよりも清掃性が上がりやすく、またホルダータイプより小さいので場所も取らず、さらに糸がなくなるまでの期間を考えると使い捨てのホルダータイプよりコスパが高いとぼくは考えます。

まずその有用性を試してみたい人はホルダータイプを買ってみて、長期的なメリットを優先したい人は歯科衛生士に教えてもらったり、YouTubeなどの動画で学んだりしながらロールタイプの使い方を習得するといいのではないでしょうか。

ぼくの場合はホルダータイプを使ってその効果に感動し、その後、かかりつけ歯科の歯科衛生士にロールタイプの使い方をレクチャーしてもらいました。

ロールタイプの中でお勧めなのは上のGCが販売している商品「ルシェロ」。

ぼくを担当してくれている歯科衛生士の方が「いろいろと使ってみた中でこれが一番」と話していて、実際にぼくも複数の種類を試した中で最も気に入っています

糸が他の商品よりも太くて吸着性も高いので、食べかすや歯垢をよく絡め取ってくれるんですね。

フッ素の多い歯磨き粉を使う

歯磨き粉を頼りにしないで

歯科医師の中にはこんなことを言う人が少なくありません。それは、

  • 歯ブラシが当たれば汚れは取り除ける
  • 泡で歯が見えづらくなる
  • 爽快感で磨いた気になる

こんな理由からですが、ぼくが通う歯科医院のベテラン歯科衛生士によれば、「今は歯磨き粉の効果も軽視できない」そう

それは、虫歯予防の効果が見込める成分「フッ素」の含有量が多い商品が流通しているためです。

フッ素には下の通り、虫歯を予防する2つの働きがあります。

  • 虫歯の原因菌が酸を出す働きを弱める
  • カルシウムの吸収効率を高めて、歯の質を強める

歯磨き粉の成分表示に「フッ化ナトリウム」または「モノフルオロリン酸ナトリウム」と書かれていればそれはフッ素が配合されていることを意味します。

歯科衛生士によれば、ここで重要なのがフッ素の濃度。

日本では2017年に上限が1000ppm(0.1%)から1500ppm(0.15%)に変更され、市販の製品では1450ppmが最高値になったといいます

なので、成人で虫歯予防の効果を求めたい人であればフッ素濃度が1450ppmのものを選べばいいそうです。

ぼくがその方に勧められて今使っているのが下の商品です。

かかりつけ歯科を持つ

そして、最も大切だと思うのがこれ。「かかりつけ歯科を持つ」です。

取材では何度も聞くことですが、ぼくも2年前にいい歯科医院と出合ってその効果を実感しています。

自分の歯の状態や治療経過を知ってくれている歯科医師や歯科衛生士をパートナーに持つと心強いですよ。

さまざまに対話を重ねることで歯への健康意識が高まりやすい上、実生活に役立つセルフケアの知識や技術を得られます

  • 質問しやすい
  • しっかりと疑問に答えてくれる
  • 無理に勧めてこない
  • 何となく相性がいい

ぼくが思うかかりつけ歯科を選ぶときのポイントは上の通り。

そもそも歯科医院を頻繁に変えているとその都度自分の歯の状態や生活習慣を伝えないといけないので面倒ですよね。

長期的に診てくれる歯科医院を持っておくことで、「何かあってもここに相談すればいい」と安心感が高まりやすいですし、また歯科医院からしても患者の価値観や考え、状態の経過を把握しておくとその人に合ったケアや治療を提案しやすいのではないでしょうか。

定期的に歯科でクリーニングする

セルフケアだけでは限界がある

これも取材の場でよく聞くことです。

プロの歯科医師でも自分の歯を完璧に磨くのは難しく、一般の方であればそれはなおさら」と歯科医師たちは話します。

いくら丁寧に磨いていても磨き残しはどうしても生まれてしまうもので、徐々に歯垢がたまっていき、歯垢を放置しておくとそれが歯石に変化して通常の歯磨きでは取れなくなってしまうといいます。

虫歯や歯周病の原因になる歯石は、歯科医院で専用の機器を使わなければ取り除けません

こういった理由から、歯科医院での定期的なクリーニングを取材する歯科医師たちは勧めます。

2年前からそれを実践しているぼくも同意見です。

  • 強固な汚れや歯石は歯磨きでは落ちない
  • 歯科医院ではきれいに落とせる

これらを実感しているからで、クリーニングを終えた後にきれいになった歯を見るのはとても気持ちいいんですよね。

これからも歯を大切にしていきたい

そんな気持ちが生まれます。

就寝中にマウスピースをつける

最後に伝えたいのがこちら。

就寝中の歯ぎしりや食いしばりによって知らないうちに歯がダメージを負い、やがて微細なひび割れ(クラック)ができる。

そこに細菌が侵入して歯の内部で増殖、虫歯ができる

こんなこともあるといいます。

虫歯以外にも

  • 知覚過敏の発生
  • 歯周病の進行
  • 顎関節症の発症
  • 詰め物や被せ物の破損

これらのリスクが上がるそうです。

それを人工的に防ごうというのがマウスピース。上の歯にはめることで、歯と歯が直接ぶつからなくなります。

かかりつけの歯科医によれば、歯ぎしりや食いしばりは成人の多くに起きているというので、ぼくもマウスピースを作ってもらい、今では毎日着けた状態で寝ています。

最初は違和感がありましたが、1週間ほどもしたら慣れ、今では着けないと何だか気持ち悪いくらいです。

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詳しくはこちらに書いたので参考にしてみてください。

まとめ

211人の歯科医師を取材した経験を生かしてぼくが実践する虫歯予防の方法を書きました。

虫歯を防いでいくためには自分の歯に関心を持つことが重要で、自分の歯に関心を持つためには自分が信頼できる、ウマの合う歯科医院と出合うことが重要だとぼくは思います。

ちょっと面倒に思うかもしれませんが、今はさまざまな意味で患者に優しいクリニック運営を心がけている歯科医院が増えているので、ぜひ自分の健康を長期的に守るためにもパートナーを探してほしいですね。

自分の歯を毎日見たり、虫歯予防の効果が高い歯磨き粉を選んだりすることはすぐにできると思うのでそれをしつつ、歯科医院に足を運んでみてはどうでしょうか。

もう一度、今回の記事で紹介した商品のリンクを添付しておきます。

医療ライターの庄部(@freemediwriter)でした。

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