「歯磨き粉の中には、虫歯予防に有効な成分『フッ素』が入ったものがあるね」「濃度が高い方が効果が見込めるそうだけど、いろいろある商品の中でどれがいいのかな?」
今回はこんな疑問や興味のある人に向けて、医療ライターのショウブ(@freemediwriter)がフッ素濃度が高い歯磨き粉6つを買って使用、個人的に思うお勧めランキングを書きます。
主観的な記事ですが、わたしは過去214人の歯科医師を取材し、また信頼するかかりつけ歯科医院の歯科衛生士にも歯磨き粉の選び方を聞きました。
それらの情報を踏まえて判断し、紹介していきます。
トップにしたのはスーパーやドラッグストアでは扱っていない商品ですが、歯科業界に携わる人であれば知っている有名なものです。
参考にしてみてください。
そもそもフッ素とは
- 自然に存在する元素
- 虫歯予防に有効
- WHOもフッ素の利用を推奨
フッ素の概要です。
フッ素が虫歯予防に有効だと考えられているのは、下の3つの働きを持つためです。
- 歯の質を強くする
- 虫歯の原因菌が酸を出す働きを弱める
- 虫歯の原因菌の酸で歯から溶け出たカルシウムイオンやリン酸イオンを歯に戻す
詳しくは下の記事に書きました。
フッ素濃度の見方
- 単位は「ppm」
- 最高値は1450ppm
市販されている商品のフッ素濃度の最高値は2021年現在、1450ppmです。
日本では2017年に上限が1000ppmから1500ppmに変更され、近年になって1450ppmの品が流通し始めました。
厚生労働省は15歳以上におけるフッ素濃度の適正量を「1000~1500ppm」としており、かかりつけ歯科の歯科衛生士は「虫歯予防の効果を高めたいのであれば1450ppmのものを使った方が良い」と話していました。
フッ素濃度が1450ppmの場合、商品の表か裏に数字が記載されているので確認してみてください。
パッケージの前面に「高濃度フッ素配合」と大きくうたっていなくても、裏をよく見れば小さく数値が記載されていることがあります。
使った高濃度フッ素歯磨き粉一覧
2020年10月から2021年7月にかけて、わたしが購入し、使った高濃度フッ素歯磨き粉(1450ppm)の一覧です。
購入した順に記載します。
商品名 | メーカー |
クリアクリーン プレミアム(美白) | 花王 |
クリニカ アドバンテージハミガキ | ライオン |
シュミテクト デイリーケア+ | アース製薬 |
ガム・ウェルプラス デンタルペースト | サンスター |
システマ EXW | ライオン |
チェックアップ スタンダード | ライオン歯科材 |
高濃度フッ素歯磨き粉の選び方
「フッ素濃度が高ければ、特にどれでもいいのでは?」
こう思う人がいると思います。わたしも基本的には同意見です。担当の歯科衛生士も同じ考えでした。
ただ、わたしは濃度の数値以外にも下の3つの要素を考えて商品を選びます。
- 香りが弱いもの
- 泡立ちが弱いもの
- キャップと本体が一体化しているもの
香りと泡立ちに着目する理由は、過去に取材した複数の医師が「香りと泡立ちが強い場合、磨けていないのに磨けていると錯覚してしまう恐れがある」と話していたためです。
「言われてみればわかる」と感じる人も多いのではないでしょうか。
歯磨きのときに口の中が泡で覆われていると、実際はどうあれ口が掃除されている気分になりやすいと思いますし、また爽快感のある香りが口の中に漂っていると、なんとなく良いことをしている気になりやすいのではないでしょうか。
歯科医師を取材するようになるまでのわたしはそうでした。
当たり前ですが、歯に付着する食べかすや歯垢(プラーク)は歯に歯ブラシが当たっていないと取り除けません。
香りや泡立ちが正しい認識を妨げる原因になり得る、と歯科医師たちは言い、わたしも「なるほど、それはそうかもしれないな」と腹に落ちたのです。
最後の「キャップと本体が一体」というのは手間を考えてのことです。
歯磨き粉のキャップは2つのタイプがありますよね。
本体と分離されていて、回して外したり付けたりするものと、本体と一体になっていて、キャップのとっかかりを指で上にスライドすれば開くもの。
ちょっとした違いかもしれませんが、わたしは後者の方が「手間がなくて良い」と思うタイプ。
高濃度フッ素歯磨き粉のお勧めランキング
それでは、ランキングを発表していきましょう。これらの商品は少なくとも1本は使い切った上で評価しました。
1位「チェックアップ スタンダード」
1位にしたのはライオン歯科材株式会社が作る「チェックアップ スタンダード」。
取材結果を踏まえ、昨年からわたしが常用している歯磨き粉です。今回のリサーチのために他の商品を使ってみましたが、やっぱりこれが一番だと思います。
スーパーやドラッグストアでは見たことがありませんが、歯科医院では多くの場合にこの商品を販売しています。
わたしが住む地域にある雑貨店「ハンズビー」(東急ハンズが展開)には置いていました。
チェックアップは先述の3つの要素を全て満たしているんですよね。
香りと泡立ちが弱くて、キャップと本体が一体になっています。
中身が出る口の部分が細くてなっていることも特徴です。
直径は一般的な歯磨き粉の2分の1ほどでしょうか。これによって歯磨き粉が出るときに内圧が高まるためか、残量が少なくなってもチューブを強く押し込む必要がありません。
わたしはこの商品に出合うまで、歯磨き粉を使い切ろうとする際にチューブの上端から指で強く押し込んでいき、中身を外に出そうとしていました。
これがちょっと手間だったのですが、チェックアップであれば使い切るぎりぎりまで楽に中身が出ます。
これも評価点の一つです。
また、今回比べた歯磨き粉の中では最も量が多く、135g入っているのもポイントです。
公式サイト記載の価格が550円(税別)と一般的な歯磨き粉よりも高いですが、それを差し引いても魅力を感じる商品ですね。
2位「システマ EXW」
2位は「システマ EXW」。
これは本体とキャップが分離しているタイプですが、3位以下の商品よりも香りが強くなくちょうど良い感じだったので、この位置に据えました。
3位「クリニカ アドバンテージハミガキ」
3位は「クリニカ アドバンテージハミガキ」。香りはやや弱めですが泡立ちが多いのが気になりました。
これも本体とキャップが分離しているタイプです。
すいません、写真を撮り忘れました。
4位「シュミテクト デイリーケア+」
4位は「シュミテクト デイリーケア+」。
これはミントの香りが強く、鼻にツンとするほどだったので順位を落としました。
量が少ない点も考慮しました。他の歯磨き粉は100g以上でしたが、これは90gです。
4位「ガム・ウェルプラス デンタルペースト」
シュミテクトと同列にした「ガム・ウェルプラス デンタルペースト」。
歯磨き粉が緑色の柔らかいペースト状でインパクトがありますが、これもミントの風味が強かったのでわたしの好みではありませんでした。
6位「クリアクリーン プレミアム(美白)」
最下位にしたのが「クリアクリーン プレミアム(美白)」。
「パールミント」という香りらしいのですが、一般的なミントよりも癖があり、わたしは苦手でした。
香りがかなり強いだけではなく、泡立ちも多かったため評価はしませんでした。
使い続けることで香りには慣れましたが「リピートはないかな」と。
まとめ
記事を書くときに気付きましたが、1~3位はどれもライオンまたはその系列会社が作ったものですね。わたしと相性がいいのかもしれません。
読んでいる人が楽しめるようにランキング形式にしましたが、率直に言うと「使い続けたい」と思う商品は「チェックアップ」のみ。これは気に入ってます。
虫歯予防の効果を高める点で、ほかにも歯磨き粉を取り出す量やうがいの仕方などのポイントを先述の過去記事に書きました。
下にもはっておくので、興味のある方は参考にしてみてください。
医療ライターの庄部でした。
記事内の情報、考え、感情は書いた時点のものです。
記事の更新情報はツイッター(@freemediwriter)でお知らせします。
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