「栄養バランスの整ったチョコレートがあるらしいね」「アンジュって商品らしいんだけど、どんなものなんだろう。おいしいのかな?」
今回は、こんな興味や疑問がある人に向けて、医療ライターのショウブ(@freemediwriter)が商品を買って食べた模様をレポートします。
アンジュは複数のウェブサイトで「完全食」と言われており、その代名詞からは味にポジティブな印象を持っていなかったのですが、いや、おいしかったです。
過去に書いたベースブレッド(下記事)もそうですが、「完全食」=「無味」「おいしくはない」というイメージ自体、時代には合っていないのかもしれませんね。
一方で、「わたしには値段が高いので常食には不向き」とも。
自分へのご褒美としてたまに買ったり、健康を気にするお菓子好きの友人・知人へのプレゼントとして送ったりするのに良さそうです。
写真を載せつつ、味も紹介していくので参考にしてみてください。
完全栄養食とは
- 身体や健康の維持に必要な栄養素の全て、または多くが含まれている食品
- 公的・統一的な定義はない
――「デジタル大辞泉」
完全栄養食に明確な定義はないといいますが、少なくとも「健康の維持に必要な多くの栄養素が含まれている」ことが条件になりそうです。
目安としては、「1食分で1日に必要な栄養素の3分の1を摂取できる」ことをうたう商品が目立つ印象。
朝日新聞社が提供する用語解説サービス「知恵蔵mini」によると、2013年にアメリカの起業家ロブ・ラインハートが粉末状の「ソイレント」を開発したことが始まりだそうで、産経新聞の記事によると、日本で先駆けとなったのは「COMP(コンプ)」(東京都渋谷区)が2015年に発売を始めた飲料だといいます。
完全食チョコ「アンジュ」とは
アンジュの特長
- 27種類の栄養素を配合
- 白砂糖、保存料、乳化剤、香料を使っていない
- 専属のショコラティエが1枚ずつ手作り
使っている食材
- カカオ
- アーモンド
- チアシード(チアの種子)
- ポピーシード(ケシの種子)
- きなこ
- ココナッツ
- 抹茶
- 昆布
「andew(アンジュ)」の特長です。
製造・販売する株式会社「SpinLife」(北海道札幌市、2020年1月設立)のウェブサイトよると、アンジュは「全ての栄養素をバランス良く摂取できる完全栄養食」だといいます。
カカオに加えて、栄養が豊富な上記7つの食材を使用し、27種類の栄養素を配合しているそう。
専属のショコラティエ(フランス語でチョコレートを使って菓子を作る職人の意)が1枚ずつ手作りしているといいます。
完全食チョコ「アンジュ」の栄養
サイトから引用したアンジュの栄養成分表です。
チョコレート2枚(1枚50g)でとれる栄養量だそうで、カッコ内のパーセンテージは厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」における1日の必要量に占める割合だといいます。
食物繊維とビタミンが多いですね。
多くの人にとって1日に2枚を食べるのは現実的ではないと思うので、1枚の含有量に換算して考えた方が良いと思いますが、それでも食物繊維は1日に必要な量の4分の1がとれ、各種ビタミンも多く含まれます。
アンジュ1枚に含まれる栄養素の1日必要量に占める割合
- 食物繊維 25%
- ビタミンA 67.5%
- ビタミンB1 68.5%
- ビタミンB2 63.5%
- ビタミンB6 95.5%
- ビタミンB12 157%
- ビタミンE 67.5%
各種ミネラルも豊富に含みますが、ミネラルの中には「多くとりすぎると悪影響を及ぼすものがある」と言われるため、ここに関する考えは保留にします。
調べた後に追記します。
アンジュが誕生するまでの物語
- 難病患者のために医学生が考案
アンジュは、ある医学生が難病患者のために作った商品だそうです。
同社の社長であり、北海道大学医学部に在籍する中村恒星さんが、皮膚難病である「表皮水疱症」の患者でも「食べやすい、おいしい、栄養豊富なものを」と開発に取り組んだといいます。
中村さんのコラムによると、表皮水疱症は生まれつき皮膚が弱いためにボロボロとめくれてしまい、強い痛みも伴うそう。
口の中も荒れてしまうため、「ポテトチップスを食べるととげのついた板を食べているくらい痛い」と表現する患者もいるといいます。
中村さんは、「そんな患者さんのために何かできないか」と自らさまざまな食材を調理して試し、のちに専門業者とチョコレートの共同開発に着手。結果、誕生したのがアンジュだといいます。
後述しますが、アンジュは口溶けが良いのが特長。中村さんの「患者でも食べやすく」という思いが反映されているのだろうと思いました。
アンジュを食べた感想【写真付】
では、レポートしていきますね。
アンジュの公式サイトで2021年7月5日に購入し、同9日に東京都調布市の自宅に商品が届きました。
開封して商品を取り出しました。
わたしが購入したのは、タブレットの「ノーマル」「ノンシュガー」「フルーツ」「きなこ」「抹茶」を1枚ずつ。
タブレットの味は現在この5種類です。
1枚(15ブロック)が980円(税込み)。LINE@登録での500円値引きが適用され、また3枚以上の購入で送料が無料になるため、計4400円。
わたしは酒のつまみによくナッツと高カカオチョコレートを食べるのですが、今回はそのチョコとしてアンジュを。
アンジュ「ノーマル」の味
「思ったよりおいしい!」
初めて食べたときの感想です。
口に含むと、スモーキーなちょっと独特な香りが立ち上ってきて、やがて濃厚なカカオのうまみに満たされました。
そして、口の中でほろほろと溶けていきました。
アンジュのチョコレートは、ノンシュガーを除いて植物のテンサイ(サトウダイコン)から作られる砂糖(テンサイ糖)を使っており、これは白砂糖(上白糖)とは違い、カリウムやカルシウムなどのミネラルやオリゴ糖も含むそうです。
アンジュ「ノンシュガー」の味
文字通り糖分不使用のノンシュガー。
最初は「無味」という印象でしたが、次第にカカオ特有の苦みが感じられました。
他の味を楽しみつつの小休止に良いかもしれません。
アンジュ「フルーツ」の味
「ノンシュガーのチョコレートにアプリコットやレーズンなどのドライフルーツが乗っている」という印象でした。
ドライフルーツを引き立たせるためか、チョコレートはノーマルよりも甘さが控えめです。
アンジュ「きなこ」の味
「きなこ」と次に載せる「抹茶」はおいしかったですね。
どちらも噛むほどにうまみが出てきて、甘さもほど良かったです。
アンジュ「抹茶」
まとめ
- おいしくて食感や口溶けも良いが、値段が高い
- 自分へのご褒美やプレゼントにはいいかも
アンジュは味と食感、口溶けが良く、全体的に質の高い商品だと思いました。
特に印象に残ったのが口溶け。
市販されているチョコレートにはカリッとした歯ごたえを感じるものが多く、一部にふわっとすぐに溶けるものがある、というのがわたしの認識ですが、アンジュの口溶けはこの中間にある感じで、ほろりとなくなっていくのが心地良いんですよね。
ただ、チョコレート1枚で約1000円というのはわたしには高い。
健康のために日常的に食べていくのは無理があるので、上に挙げたような買い方が合っているような気がします。
そもそも、チョコレートはカカオの含有量が多いものを選べば健康効果を得られる食品です。
コンビニエンスストアやスーパーで200円ほどで買えるので「食品の特性」「量」「値段」を考えると、常食にする必要性は低いと感じました。
健康を気にするスイーツ好きの友人にちょっと気の利いたものを送ろう
そんなときは良さそうですね。嚥下機能(飲み込む能力)の落ちた高齢者などうまく食べ物を食べられない人へのプレゼントにも良いのではないかと思いました。
アンジュにはギフト用や1粒ずつ包装されたものがあるほか、生チョコレートやガトーショコラ、ショコラチーズケーキも展開しています。
店舗販売はしていないようで、オンラインショップで購入できます。
医療ライターの庄部でした。
記事内の情報、考え、感情は書いた時点のものです。
記事の更新情報はツイッター(@freemediwriter)でお知らせします。
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