調査・取材

コロナで当たり前になったアルコール消毒、どれくらい効果があるの?

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手をアルコール消毒するのが当たり前になったけど、実際にどれくらい効果があるんだろう?

新型コロナウイルス感染症の流行によって、飲食店や商業施設、公共施設などには必ずと言っていいほどアルコール消毒液が置かれるようになりました。スプレータイプの製品をプシュッと押し、噴霧されたアルコールを手に擦りつけてから入店・入室する――。

多くの人にとってごく自然な行為になったものの、その効果についてはよく知らず、わたしと同じ冒頭のような疑問を感じ続けている人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、医療ライターのショウブ(@freemediwriter)が複数の資料を当たってその程度を調べてみようと思います。

アルコール消毒、ちゃんと効果があるみたいですよ。

厚労省「手洗いできない場合は有効」

まずは、信頼性の高い情報が掲載されることの多い厚生労働省のホームページをチェックしました。

厚労省によると、「手洗いがすぐにできない状況ではアルコール消毒液も有効」だそうで、具体的には濃度70%以上95%以下のエタノールの使用を推奨しています。

エタノールはアルコールの一種であり、「アルコール消毒」とは一般的にエタノールを使った消毒を意味します。

濃度が60%台でも「一定の有効性がある」と考えられる報告があるそうで、70%以上の製品の入手が難しい場合は60%台の製品を使っても「差し支えありません」。

ただ、数字的にどれほどの効果があるのかは書かれていません。

石けんやハンドソープを使った手洗いの効果は書かれていて、もみ洗いを10秒した後に流水で15秒すすぐとウイルスはおよそ1万分の1に減るそうです。

丁寧な手洗いによって十分にウイルスは除去できるため、手洗い後にアルコール消毒をする必要はないとしています。

50%以上のエタノール1分の接触でコロナ不活化

アルコール消毒の効果はよくわからない? いいえ、コロナ流行後に日本の大学が調べてくれていました。

それは北里大学大村智記念研究所の片山和彦教授(ウイルス感染制御学)らのグループが取り組んだ研究で、2020年4月17日に結果が発表されていました。

結論としては、濃度50%以上のエタノールを1分間ほど新型コロナウイルスと接触させると、同ウイルスは不活化する(感染力を失う)といいます。

発表資料によると、片山教授らは日本の市場に流通している複数の製品を使って調査。結果、濃度10%、30%のエタノールでは同ウイルスへの接触時間が10分でも不活化効果を得られなかったのに対し、50%、70%、90%のエタノールでは1分でも同効果を得られたといいます。

研究グループは「エタノールは、50%以上の濃度であれば接触時間 1 分間で十分なウイルス不活性化が可能だと考えられた」と総括しました。

アルコール消毒はちゃんと効果があるようですね。

厚労省の見解とは違い、濃度50%以上でも有効というのは参考になる情報でしょう。

ただ、接触時間が1分というのはちょっと長い印象。片山教授はメディアの取材に「(実験結果からは)10秒で不活化するのか、30秒で不活化するのかはわかりません」と話しています。

80%のエタノール15秒の接触で不活化の結果も

続いて10月、参考になる新たな研究結果が発表されました。

京都府立医科大学の広瀬亮平助教(感染症学)らの研究グループが取り組んだもので、報道によれば、「市販の消毒液と同等の濃度80%のもの(エタノール)を使用し、新型コロナとインフルエンザのウイルスを15秒間浸すと、いずれも完全に不活化し、消毒効果があった」そうです。

これは朗報ですね。

広瀬助教はメディアの取材に「最低15秒間はエタノール消毒液を手に擦り込ませてほしい」とコメント。1分は難しくても、「15秒ならやりやすい」と感じる人が多いのではないでしょうか。

また、広瀬助教の研究では、新型コロナウイルスが人の皮膚表面でおよそ9時間も生存し続けることが判明。

これは、同条件でのインフルエンザウイルスの生存期間約1.8時間の5倍。新型コロナはインフルエンザよりも接触感染のリスクが高い可能性が示唆されました。

アルコール消毒の効果まとめ

  • 手洗いができるときは手洗いを
  • できない場所ではアルコール消毒を
  • アルコール消毒では濃度が重要
  • アルコール消毒時、15秒は擦り込もう

ネットで調べられる範囲で言えば、現時点での結論はこんなところのようです。

わたしたちにとって自然な行為になったアルコール消毒が有効であることがわかり、さらに時間的な目安も把握できたので良かったですね。

これらの情報を念頭に入れて日常を過ごしていこうと思います。

「正しい」と考えられている手洗いの方法については下の記事に書いたので、興味のある人は参考にしてみてください。

医療ライターの庄部でした。

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